MENU

不妊検査

不妊検査

不妊の原因としては、排卵障害(月経不順など)、卵管異常(卵管の閉塞や狭窄、癒着など)と並んで、男性の精液異常が多く認められます。しかし、よく調べてみますと不妊の原因は、1つであることは少なく、いくつかの原因が重なっていることも多いようです。
また、検査で異常を認められない原因不明な夫婦も20%います。原因を見極めるためには、いくつかの検査が必要です。

基礎体温測定

ホルモンの状態がわかります。排卵があるかないかを知ることができます。
4時間以上の睡眠後、目覚めた時すぐに測ります。
婦人体温計(水銀かデジタル)で舌の下で測ります。できるだけ同じ時間に測ってください。

長所

卵胞の有無、その時期。黄体機能。排卵日の予測。安価である。

短所

毎日時間をとる。
ストレスとなることもある。

経腟超音波検査

膣の中に機械を入れて、子宮・卵巣の状態をみます。
診断しやすいように、事前に排尿を済ませおいてください。
費用は、2,000円前後です。

長所

診察室で実施でき、直ちに診断できる。
卵胞のサイズや子宮内膜の厚さを測定できる。

短所

腹腔内の癒着や卵管の疎通性や機能などはわからない。

子宮卵管造影検査

子宮、卵管の形態異常がわかります。痛みを伴う検査ではありますが、必要以上に緊張すると子宮、卵管が痙攣をおこし、正確な検査結果が得られない場合もあります。
月経の終わり頃から排卵前までに行ないます。
費用は、10,000円~15,000円程度です。

長所

卵管の疎通性、閉塞部位などがわかる。
検査後の妊娠率が上がることが報告され、治療も含む。卵管采や周囲の癒着がわかる。

短所

卵管采の補足や卵管の移送メカニズムを評価することはできない。
器質的な卵管異常のすべてを診断することはできない。

フーナーテスト

子宮頸管粘液と精子の適合をみます。
排卵期の性交渉後、12時間以内に行います。結果はすぐに分かります。
結果次第では、2~3回行なうことがあります。
費用は、1,000円前後です。

長所

頸管粘液との相互関係をみる。
男性因子や抗精子抗体の存在の有無を発見する助けとなる。

短所

1回だけの検査では、あてにならないこともある。

血液検査(内分泌検査)

月経期・排卵期・着床期に採血をしてホルモンの値を調べます。
プロラクチン・LH・FSH・エストラジオール・プロゲステロンを測定し、卵巣機能の状態をチェックします。
FSH(卵胞刺激ホルモン):下垂体から分泌され、卵胞を育てる。
LH(黄体形成ホルモン):下垂体から分泌され、排卵を促し黄体をつくる。
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン):下垂体から分泌され、排卵や着床を妨げる。
エストラジオール(E2):卵巣機能をみる。
プロゲステロン(P):黄体機能をみる。
費用は、3,000円~8,000円程度です。

男性がうける検査

基本検査

  • 問診
  • 内診
  • 触診
  • 精液検査
  • 尿検査
  • 陰嚢部超音波検査
  • 染色体検査
  • ホルモン検査
  • LH、FSH、プロラクチン、テストステロン

精液検査

専用の容器に精液を採って、精子の数や運動の状態を顕微鏡で調べます。
費用は、1,000円前後です。

正常精液所

精液量:2ml以上
精液濃度:1ml中に2,000万以上
精子運動率:運動精子50%以上
生存率:75%以上
奇形率(クルーガー分類):80%以上
白血球:1ml中に100万個未満

異常精子所見

乏精子症:精子濃度1ml中に2,000万未満
精子無力症:高速直進精子プラス緩徐な直進精子50%未満、あるいは高速直進運動精子25%未満
奇形精子症:正常形態精子30%未満
無精子症:精液中に精子を認めないもの

長所

精子の数や運動性について客観的に評価することができます。

短所

精子の受精能のような実際的な精子機能を評価できない。個人の検査であっても変動を伴う。採取法や禁欲期間、移送法により検査結果が異なることがある。男性の羞恥心やプライドを傷つける場合がある。

クラミジア抗原・抗体検査

性感染症の代表的な原因であるクラミジアにより、頸管炎・卵管炎・骨盤腹膜炎などを発症する。卵管性不妊の原因となる。
子宮頸部から検体を採る抗原検査と血液で調べる抗体検査がある。
費用は2,000円前後。

その他

  1. 受精障害の原因の1つでもある抗精子抗体(不動化抗体)
    不妊の原因の1つとして女性は、その体内にある精子と結合し、その働きを障害する抗精子抗体という特別なものをもっていることがあります。検査は、血液検査でおこないます。
    自費検査で、費用は、約11,000円(税込)です。
  2. 子宮頸がん検査(子宮体がん検診)
    婦人科診察では、最低1年に1回はおこないましょう。
  3. 甲状腺機能検査
    甲状腺機能障害があると、排卵を障害したり、高プロラクチン血症の原因となります。
  4. 子宮内膜症の検査や子宮筋腫の検査
    内膜症や子宮筋腫は、不妊女性で最も多い合併症です。CT検査やMRI検査、血液検査(貧血の有無やCA-125)などをおこないます。