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不妊症について検査や治療方法、治療に掛かる費用など詳しくご説明します。
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胚の凍結保存に関する留意点

凍結胚移植の安全性について

①胚に対する凍結、融解の影響
残念ながら凍結保存法で、すべての胚が再び正常な状態に戻るわけではありません。2000年頃から普及してきた優れた凍結法であるガラス化法は、その後も技術改良が重ねられておりますが、凍結・融解時に胚が受けるダメージは0%ではありません。数値的には、5-10%前後の確率で胚の質(グレード)は低下すると言われております。

②出産児に対する影響
凍結胚を用いた治療で、2014年までに出生した累積新生児数は214,194人と報告されておりますが、特に偏った特別な奇形が多いとの報告はありません。


妊娠率
日本産婦人科学会では胎嚢を認めたもの全てを妊娠としています。凍結胚移植に関する2014年における全国集計では、移植当たり妊娠率33.5%、流産率26.8%、多胎率は3.2%です。凍結融解胚移植では流産率が高い傾向にありますが、出生した児の先天異常児の割合は2.2%で、自然妊娠での先天異常児率3%と比べ偏った異常は認められておりません。
多胎妊娠(双子、三つ子など)
2014年度の集計では1,608例の多胎妊娠が報告されており、98%は双胎妊娠(双子)でした。28例の品胎妊娠(三つ子)が報告されておりますが、4胎妊娠以上は認められませんでした。胎児数が多くなればなるほど母体の妊娠合併症の率や早産率が高くなります。
異所性妊娠(いわゆる子宮外妊娠)
異所性妊娠は、2014年度の集計では311例で0.6%(自然妊娠では全妊娠の1%前後)でした。
その他
卵巣過剰刺激症候群は、排卵誘発剤の投与により卵胞が多く発育し、採卵後の黄体や小卵胞からの活性物質により、卵巣腫大、腹水貯溜(乏尿、体重増加)、胸水貯溜(呼吸困難)、血液濃縮を起こすもので、重症化すると生命に関わることもあります。重症化を防止するためにすべての受精卵を凍結保存することもあります。
すなはち、新鮮胚を移植をせずに全て凍結保存し、後日、自然周期あるいはホルモン補充周期で胚移植を行うものです。その際強力な排卵誘発を必要としないので、重症卵巣過剰刺激症候群になることはありません。