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胚の凍結保存を受ける方へ

◆胚の凍結保存とは

採卵周期に複数の受精卵が得られた場合、余剰胚を次回以降の周期の為に、-196℃の液体窒素の中に凍結保存しておく方法です。1983年にオーストラリアで妊娠出産例が報告されて以来広く普及してきました。その後、冷凍保存法は目覚ましい技術的な改良がなされ、2000年以降日本で開発された超急速冷却ガラス化保存法の普及により、凍結胚移植の妊娠率が新鮮胚移植の妊娠率を上向っております。2014年の報告では高度生殖医療(ART)による出生児数の75%以上は凍結融解胚移植によりもたらされており、今や胚の凍結は生殖医療に必要不可欠な技術となっております。


◆胚の凍結保存の適応事例

胚の凍結保存は、
  1. 卵巣刺激および採卵の負担を減らすこと
  2. 良好胚を無駄にしないこと
  3. 移植胚数を極力抑え、多胎妊娠の頻度を下げること
  4. 着床適期に凍結・融解胚を移植して,妊娠率を向上させること
  5. 卵巣過剰刺激症候群の重症化の予防

などさまな利点が期待されます。

胚の凍結保存は次にあげる場合に可能になります。

余剰胚がある場合
1回の採卵で、多くの卵子が採れた場合、多胎妊娠防止のため移植する新鮮胚は原則1個にする為、それ以上の胚は余剰胚となり凍結保存の対象となります。もし、1回目の新鮮胚の移植で妊娠し、出産が終了して第2子を希望する場合は、再度採卵しなくても凍結保存してある胚を解凍し、第2児の妊娠が可能です。また残念ながら1回目の胚移植で妊娠に到らなかった場合でも再び採卵することなく、凍結胚の胚移植だけを受け妊娠に成功することが可能となります。
卵巣過剰刺激症候群の場合
排卵誘発剤の副作用で卵巣がはれている時です。この状態で胚移植を行い妊娠が成立すると卵巣過剰刺激症候群が重症化することがあります。重症化すると胸やお腹の中に水が多量にたまったりし、長期の入院が必要になります。
移植前の子宮内膜が不良のとき
子宮内膜ポリープがあったり、子宮内膜が薄い時です。この場合、卵が子宮内に着床するのに良好な環境ではありません。よってポリープがあればそれを切除してから卵を子宮に戻します。
■胚の凍結保存の方法・手順

(1)凍結保存  採卵した卵子はそのままの状態ではなく、体外受精させて胚とした後に凍結するのが一般的です。胚はそのまま凍結すると損傷を受ける為、損傷を受けないように特別な凍結保護液を用いて処理し、液体窒素中で-196℃のまま半永久的に保存できます。
最近はより簡単に凍結処理ができて胚のダメージが少ないVitrification法(超急速冷却ガラス化法)が普及して、より良好に胚の凍結ができるようになりました。当院でもこの方法を取り入れております。

(2)凍結胚の融解胚移植  凍結保存しておいた胚を子宮に移植する場合は、原則として自然排卵に合わせて移植を行う「自然周期法」にて実施いたします。しかし排卵が不規則で月経不順の方は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンにて子宮内膜を調整して移植を行う「ホルモン調整法」を検討いたします。いずれの場合でも、採卵は不要なため体に対する負担が軽減されます。胚移植希望周期の月経が開始してから、超音波やホルモン検査で子宮内膜の状態卵胞の発育状態をチェックして排卵日を把握し、胚を解凍し子宮に移植します。

胚の凍結に関する留意点は、こちらをご覧ください。